【機械式地震計】 寸法:2,350×2,350×2,050mm 昭和9年(1934)佐々憲三(日本)開発
近地の大地震を記録するための低倍率・長周期地震計として、佐々憲三(阿武山地震観測所2代目所長)が開発、その名が名称にもなっている、阿武山観測所にしかない、世界にたった1台の地震計の1つ。 普通の地震計は、小さな揺れも感知できることを目指して作られるが、それでは大きな揺れが来た時には針が記録面を振り切ってしまい、正確な記録が得られないことになる。 この地震計はその点を克服するために、わざと地震計が揺れる感度を低くしているところが特徴である。 この事を実現するために、この場所で1点もので作るしかない、とても大きな装置となった。 感度が低いため、記録紙上に地震波形が見える日は、1年でも数えるほどであったが、開発から約60年間、大きな揺れの記録に貢献した。 この地震計の記録から、昭和18年(1943)の鳥取地震で、断層のずれる速さが秒速約1mであるということなどが分かるようになった。
※昭和62年(1987)マグネセンサーで電気出力化、インク描きに変更。 ※平成9年(1997)12月末、観測終了。